韓国原子力研究院(KAERI)の解体技術開発部のパク・チャンウ博士の研究チームは、放射性廃液からトリチウム(三重水素)を分離するための水電解用新素材を開発したと、22日に発表した。この研究成果は、国際学術誌『ケミカル・エンジニアリング・ジャーナル』の今月号に掲載された。
トリチウムは水素の同位体で、原子力発電によって発生する代表的な放射性物質である。発電所の解体や除染の際に発生する廃液にトリチウムが含まれており、これを処理する際のコスト削減が課題となっている。
研究チームは、トリチウム分離のための水電解プロセスで、高分子電解質膜にグラフェン(黒鉛の層から取り出した六角形の蜂の巣状の二次元物質)の薄膜をコーティングすることで、トリチウム分離性能を大幅に向上させた。
水電解技術は、トリチウムを含む水を電気分解し、発生した水素イオンが高分子電解質膜を通過して反対側の電極に移動し、