【無料記事】SEDEX2024で展示されたSKハイニックスの最新技術

SKハイニックスは23日から3日間、ソウル・サムスン洞のCOEXで開催される「2024半導体大展(SEDEX)」に参加し、AI時代をリードするメモリ技術と未来ビジョンを披露した。以下に、同社サイトのニュースルームに掲載された紹介文全訳を掲載する。

今年で26回目を迎えるSEDEXは、韓国半導体産業協会が主催する国内最大の半導体専門展示会である。「AI半導体と最先端パッケージ技術の融合」というテーマのもと、今回の展示会には半導体、システム半導体、機器・部品、材料、設備、センサーなど半導体エコシステムの全分野から250社が参加し、約600のブースを展開した。

今年、SKハイニックスは約80坪のスペースに「MEMORY, THE POWER OF AI」というテーマの展示館を設置し、グローバルAIメモリ市場をリードする企業の独自の技術力を公開した。メイン展示ゾーンでは、現在市場で最も注目されている超高性能メモリHBMを筆頭に、次世代AIメモリとして注目を集めるCXL®、次世代インテリジェントメモリPIM、データセンターの高性能コンピューティングを実現するサーバー用ソリューション、スマートデバイス自体で情報処理が可能なオンデバイス用AIソリューションなど、AI技術革新を加速するAI向けメモリソリューションを多数展示した。

さらに、創立41周年を記念したブランドフィルムと未来AIビジョンのハブとなる「ヨンイン半導体クラスター」展示ゾーンを通じて、過去40年を足がかりにAI時代のグローバルNo.1メモリ企業へと飛躍する企業の新しいビジョンを共有した。

また、SKハイニックスの子会社型障害者標準事業所「ハッピーもあ」が進める「ハッピーマンパン」展示ゾーンを設け、会社の社会的価値創出活動を紹介するとともに、ゲームやイベントなどの参加型コンテンツも多彩に用意し、来場者の目を引いた。

一方、イベント2日目の24日には、韓国半導体産業協会主催の基調講演で「AI時代の半導体パッケージングの役割」というテーマでSKハイニックスのイ・ガンウク副社長が講演を行った。

ニュースルームはSEDEX 2024の現場を訪れ、トータルAIメモリプロバイダーとしてSKハイニックスが展開する技術ビジョンを収めた。

HBMからサーバー用・オンデバイス用AIソリューションまで、グローバルNo.1 AIメモリ技術を総覧
SKハイニックスは展示館中央に大型LEDを設置し、仮想AIデータセンターを実現した。HBM3Eを搭載した仮想GPUが稼働するシミュレーションが繰り返され、来場者に実際のデータセンターにいるかのような感覚を提供した。

LEDウォールの後ろには、SKハイニックスの代表的なAIメモリ製品を展示するスペースが設けられた。

展示ゾーンの中央を占めたメイン製品は、AI動作に最適化された現存最高性能のDラムHBMだった。9月にSKハイニックスが世界初の量産に入ったHBM3E 12層製品が展示され、世界最高の技術力を誇るSKハイニックスのHBM開発史が紹介された。展示中で特に目を引いたのは、12層積層技術を形にした造形物であった。特に、1970年に開発された世界初のDラムと2024年の12層HBM3Eの容量を米粒の数で比較し、来場者の興味を引きつけた。

HBM展示ゾーンの左側には、HBMの後を担う次世代AIメモリ技術として注目されるPIMとCXL®のためのスペースが設けられた。

PIMセクションではSKハイニックスのPIM半導体AiMとアクセラレータカードAiMXを紹介した。メモリ内で演算機能まで実行可能なGDDR6-AiMと、このチップを複数搭載して動作させるAiMXは、高性能、低消費電力でコスト削減も可能なため、生成AIにとって最高のソリューションとして注目を集めた。

CXL®は高性能コンピューティングシステムでCPU/GPU、メモリなどを効率的に接続し、大容量・超高速演算を支援する次世代インターフェースである。CXLセクションではDDR5と組み合わせて既存システムに対して最大50%の帯域幅、最大100%の容量拡張効果を持つCMM(CXL® Memory Module)-DDR5と、CXLメモリに機械学習およびデータフィルタリング演算機能を統合したCMM-Axサンプル製品を展示した。

HBM展示ゾーンの右側にはサーバー用AIソリューションとオンデバイス用AIソリューション製品を配置した。

サーバー用ソリューションとしては高性能コンピューティング市場(HPC)で注目を集めているDDR5 RDIMM(1cnm)、DDR5 MCRDIMMなどの高性能サーバーモジュールと、さまざまなサーバーに互換性のあるフォームファクターを持つeSSD(エンタープライズSSD)ラインを展示した。この中でも、9月にTSMC OIPで初めて実物が公開された「DDR5 RDIMM(1cnm)」は、前世代に対して11%早い速度と9%以上改善された電力効率を持ち、データセンター適用時にはコストを最大30%まで削減できると期待される製品である。

オンデバイス用AIソリューションセクションでは、LPDDR5Xパッケージを一つにまとめたLPCAMM2と次世代モバイルNANDソリューションZUFS(Zoned UFS) 4.0の実物製品が展示された。LPCAMM2は既存のDラムモジュール(SODIMM)2個をLPCAMM2一つに置き換える程度の性能向上があり、スペースの節約だけでなく、低消費電力と高性能を実現し、今後さまざまなオンデバイスAI市場のニーズに応える製品として注目されている。また、業界最高性能のZUFS 4.0は長時間使用環境でスマートフォンアプリの実行時間を従来製品に比べ約45%向上させており、モバイル機器でオンデバイスAIを実現するために最適化されたメモリとの評価を受けている。

AI時代を引っ張る未来ビジョン、来場者と積極的に共有
SKハイニックスはメイン展示ゾーンの他に、ヨンイン半導体クラスターと産業用AI専門子会社ガウスラボを紹介するスペシャル展示ゾーンも併せて展開した。

ヨンイン半導体クラスターは現在、京畿道ヨンイン市ワンサン面周辺でインフラ構築作業が進行中である。今回の展示ではAIメモリエコシステムのハブとして、SKハイニックスの中長期成長ビジョンの中心に位置するヨンイン半導体クラスターの目標とビジョンを共有し、来場者に深い印象を与えた。