2019年に日本による半導体素材輸出規制(輸出管理強化)への対応として始まった韓国産超純水の開発プロジェクトが完了したことが分かった。
韓国環境部は9日、慶尚北道のSKシルトロン社の亀尾(クミ)第2工場で「超純水国産化実証プラント通水式」を開催した。
超純水は不純物がほとんど含まれていない水であり、半導体の製造工程では不純物や汚染物質を洗浄する際に使用される。また、二次電池やディスプレイの製造、さらに化学産業や医療・バイオ産業でも利用されるなど、先端産業に欠かせない資源である。
超純水市場は2028年までに国内で約2兆5千億ウォン、世界市場で約35兆5千億ウォン規模に成長すると予想されている。これは現在(2021年)の国内約2兆2千億ウォン、世界約28兆ウォン規模から大きく拡大する見込みである。
超純水を製造するには、水中のイオン濃度を「1兆分の1」以下、溶存酸素などの気体濃度を「10億分の1」以下に抑える高度な技術が必要である。このため、一部の国だけが超純水の生産技術を保有しており、これまで日本がその技術を事実上独占してきた。
環境部は韓国環境産業技術院とともに2021年4月に高純度工業用水の国産化技術開発プロジェクトを開始し、超純水の国産化を進めてきた。この事業は来年に最終完了予定であり、国家予算324億5千万ウォンを含む総額443億4千万ウォンが投入された。
今回通水式が行われた超純水実証プラントは、設計、施工、運営がすべて国内技術によって行われ、主要機材の70%が国産製品である。1日最大1,200トンの超純水を生産でき、SKシルトロンの工場に24時間連続で供給される。この超純水はシリコンカーバイド(SiC)ウェハーの製造に使用される。
環境部は、国内企業が世界の超純水市場に参入する基盤が整ったと判断し、来年から2030年まで後続の研究開発プロジェクトを進め、2031年には「超純水プラットフォームセンター」を設立して技術の確保と人材育成を加速させる計画である。