[Tech briefing]中国BOEが1兆円投じるOLED用蒸着機…日韓メーカーが競合か

出所:ETNEWS 2023年12月13日付報道

・中国のディスプレイ大手・BOEが、最新8.6世代有機発光ダイオード(有機EL/OLED)への投資を検討している。

・BOEは8.6世代OLEDライン構築のために11兆ウォン(約1.2兆円)を投入する計画で、ノートパソコンやモニター用OLED需要への対応が目的。

・8.6世代OLEDは基板サイズが大きく、工程でより多くのOLEDパネルを作ることができ、生産性が向上する。

・BOEは8.6世代用蒸着機の仕入れ先について検討中で、キヤノントッキ(日本)とソンイクシステム(韓国)との競争が始まっている。

・キヤノントッキはOLED蒸着分野で世界トップ企業だが、世界的な景気低迷のなか、ソンイクシステムがコストパフォーマンスの優位性も注目される。

・同じく8.6世代OLEDへの投資を検討しているLGディスプレイ(※OLED大型パネルシェア世界1位)については、主要取引先のAppleがソンイクシステムの蒸着装置使用を承認したと伝えられている。(それまではキャノントッキ製のみを許可していたが)

・サムスンディスプレイ(※OLED中小型パネルのシェア世界1位)はキャノントッキの装置を選択したと伝えられる。

・ソンイクシステムの装置が台頭すれば、韓国ディスプレイ産業に新たな変化が予想される。

・ディスプレイはひとたび量産競争に出遅れると回復が難しい産業である。