[Tech briefing]日本か韓国か?…中国BOE社の1兆円規模発注先をめぐる様々な変数

■出所:THE ELEC 2023年12月21日付

・中国のディスプレイ大手BOE(京東方科技集団)による第8世代OLED(有機EL)量産システムへの投資(約1兆円)発表を受け、韓国ディスプレイ産業界が喧しい。

・BOEのOLED投資をめぐっては、その核心装置である蒸着機の発注先メーカーの選定とその発注時期に高い注目が集まっている。

・発注先メーカーは、日本のキャノントッキと韓国のソンイクシステムが候補になっているとみられている。

・しかし、BOEの発注先選定には、韓国LGディスプレイの判断が変数として影響を与えるとものとみられる。

・すでにキャノントッキを選んだ韓国サムスンディスプレイに加え、LGもキャノントッキを選択すれば、(3社の大得意先であるアップル社との関係上)BOEのみがソンイクシステムを選択するという判断がし辛くなるからだ。

・一方、LGディスプレイも第8世代OLEDに投資する意向だが、その財源が今のところない。

・そのため、LGディスプレイは広州LCD工場売却などによって財源を確保する必要があるが、これをBOEが買収する可能性もあり、これがOLED投資判断にも地続きで影響を及ぼす可能性あり。

・BOEは8世代OLEDラインの蒸着機搬入時期を2025年3月下旬に計画している。

・BOEのOLED投資発表はディスプレイ機器業界に活力を与えており、今後の動向が注目される見通し。

(参考記事:[Tech briefing]中国BOEが1兆円投じるOLED用蒸着機…日韓メーカーが競合か
(参考記事:1台1500億円?…韓国紙「サムスンとキャノンのOLED用蒸着機交渉に進展か」
(参考記事:韓国有力紙「サムスンDによるキャノントッキへの蒸着機発注はまだ」「MacBook仕様の問題か」