韓国の半導体生産が好調…12.8%増 同機械装備も8%増

韓国の産業生産が半導体の好調により1ヶ月ぶりに増加に転じた。

小売販売も9ヵ月ぶりに最大幅で増加したが、設備投資と建設完成度は減少した。

韓国統計庁が28日に発表した産業活動動向によると、11月の全産業生産(季節調整済み・農林水産業を除く)指数は111.6(2020年=100)で、前月より0.5%増加した。

※韓国統計庁の当該報告原文(ハングル/PDF):https://www.korea.kr/common/download.do?fileId=197579584&tblKey=GMN

昨年10月の1.8%の「マイナス」から一ヶ月ぶりに「プラス」に転換した。

反発を導いたのは製造業だった。11月の製造業生産は前月より3.3%増加した。昨年8月(5.3%)以来、最も大きな増加幅だ。

DRAMやフラッシュメモリなどメモリ半導体の生産増加に支えられ、半導体生産が12.8%増加した。10月の12.6%の減少を乗り越え、2桁増加の流れを回復した。

韓国の半導体生産増減推移/韓国統計庁「2023年11月産業活動動向」より抜粋

ウェーハ加工装備や半導体組立装備などの生産が増え、機械装備も8.0%増加した。

製造業の在庫・出荷比率は114.3%で、前月より8.9ポイント(p)低下した。

韓国統計庁のキム・ボギョン経済動向統計審議官は、「基礎効果に加え、最近、人工知能(AI)サーバー用半導体の需要が拡大し、メモリ半導体の輸出が増加した」と説明した。

サービス業生産は前月より0.1%減少した。卸売・小売(1.0%)などで生産が増加したが、運輸・倉庫(-1.4%)などで生産が減少した。

金融・保険も0.7%減少し、3ヵ月連続でマイナスとなった。預金金利差の縮小による利息収入の減少などが影響したと韓国統計庁は分析した。

消費を示す小売販売は1.0%増加した。昨年2月に5.2%増加して以来、9ヶ月ぶりに最も大きな増加幅だ。

年末セールイベントなどの影響で乗用車などの耐久財(2.6%)の販売が増加したが、靴・バッグなどの準耐久財(-0.4%)などの販売は減少した。

設備投資は航空機などの輸送機器(-5.7%)と機械類(-1.5%)が減少し、前月より2.6%減少した。

建設業も建築(-3.0%)と土木(-7.3%)で工事実績が減少し、4.1%減少した。

現在の景気を示す先行指数循環変動値は98.9で、前月より0.1ポイント下落した。

今後の景気を予測する先行指数循環変動値は99.9で0.2ポイント上昇した。

キム審議官は「半導体を中心に製造業生産は回復したものの、小売販売と設備投資はまだ回復していないと言える」とし、「在庫が減少する流れを見せ、先行指数はプラスを記録した」と分析した。