韓国が日本の国際炭素削減戦略をベンチマークすべきだという主張が出ている。
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韓国の全軽連(全国経済人連合会)は22日、『日本の温室効果ガス国際削減戦略と示唆点』というタイトル報告書を通じて「日本は独自に開発した《共同削減メカニズム》を約10年間、国際的に拡散させてきた」と明らかにした。韓国各紙も報じた。
去る21年11月、英国グラスゴーで開催された締約国総会(COP26)で「パリ協定」体制の詳細履行指針が妥結され、既存の「京都議定書」体制とは差別化された新しい炭素削減国際規範が始まった。
日本は「京都議定書」体制の限界を認識し、2011年に「京都議定書」を脱退した。その後、日本は「パリ協定」体制発足に備え、独自に開発した国際削減モデルであるJoint Crediting Mechanism(共同削減メカニズム、以下JCM)を2013年からこれまで約10年の期間にわたって国際的に普及させてきた。
スイス、ドイツ、スウェーデンなどいくつかの国も「パリ協定」第6条に基づくパイロットプロジェクトを実施しているが、最も進んでいる国は日本である。日本は合計25カ国と既に二国間協定を締結しており、協定締結国のうち15カ国で76件の国際削減事業('22年11月基準、添付参照)が進行中である。日本の経済産業省や環境省などの財政支援で推進されている各種試験・実証プロジェクトまで含めると、総プロジェクト数は311個に達する。
また、日本は最近UNFCCC(国連気候変動枠組条約)に提出したNDC上方案報告書で、JCMを通じた国際削減実績を2030年までに最大1億トンまで確保すると明記し、JCMプロジェクトの規模を拡大するための新規方法論の開発にも取り組んでいる。特に、従来の小規模プロジェクト中心から脱却し、炭素捕集・貯蔵(CCS : Carbon Capture & Storage)技術及び水素・アンモニア技術などを活用した大規模なJCM実証プロジェクトも進めている。
韓国が2030年までに設定した国際削減目標は3,350万トンで、NDC達成のために削減しなければならない総減減量2億9,100万トンの11.5%に相当するかなりの量だ。しかし、この数値も産業・転換・輸送・建物部分など他部分の削減が計画通り滞りなく進むことを前提に導き出された数値である。もし他の部分の削減がうまくいかず、超過排出が発生すれば、NDC達成のために仕方なく国際削減目標を引き上げるしかない。
このような状況にもかかわらず、韓国の国際削減推進努力はまだ初期段階に留まっている。国際削減事業推進のための協定締結国もまだベトナム1カ国に過ぎず、今年初めにウズベキスタンのバイオガス発電事業に持分投資方式で削減実績を一部確保(11万トン)したのが唯一の実績だ。
これにより、日本のJCMモデルのような韓国型国際削減モデルの開発が急務だというのが全経連の指摘だ。特に、韓国が強みを持つ原子力技術を活用した大規模な国際削減事業も検討する必要がある。「京都議定書」体制では原子力を削減手段として認めなかったが、「パリ協定」体制では特別な技術的制約を設けていない。 したがって、中長期的に国家エネルギーミックスに原子力を含める・拡大しようとする国は、原子力を活用した共同国際削減事業に関心を持つ可能性が高い。原発輸出と連携した韓国型国際削減モデルが実現し、大量の「ITMO」を確保できれば、製造業中心の韓国産業界の削減負担軽減にも大きな助けになるだろうと全経連は指摘した。
また、昨年日本がAsia Zero Emission Community(AZEC)という国際イニシアチブを宣言し、アジア域内のカーボンニュートラルのための国際協力プラットフォームを積極的に稼動しているため、様々なチャンネルを通じて日本との協力を強化し、国際削減事業の第3国共同進出などを一緒に模索することも可能だろう。その第一歩として、2018年以降中断された「韓日環境協力共同委員会」など政府間の実務レベルのコミュニケーション窓口を再開することも必要だと全経連は提言している。
チュ・グァンホ全経連経済産業本部長は「国際削減事業の拡大より国内削減が優先という批判の声もあるが、「パリ協定」体制はむしろ国家間の自主的な協力を通じた多様な形態の国際削減活動を奨励している」と指摘し、「産業部門の削減負担の軽減、韓国企業の海外進出機会の拡大、グローバル炭素中立中枢国家への飛躍に役立つよう、今後国際削減事業の質的・量的拡大が必要だ」と強調した。
コリアエコノミクス編集部
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