韓国の有力素材企業「PI先端素材」、仏化学大手アルケマに買収される

韓国の有力素材企業である「PI先端素材」がフランスの化学大手アルケマに売却される。

PI先端素材は28日、最大株主であるコリアPIホールディングスが保有している株式54.07%をアケマコリアホールディングスに譲渡する株式売買契約(SPA)を締結したと明らかにした。韓国各紙もこれを伝えた。

※PI先端素材の当該公示(ハングル):https://dart.fss.or.kr/dsaf001/main.do?rcpNo=20230630000790

取引代金は1兆ウォン(約1100億円)で、1株当たり約6万3千ウォンだ。取引終了予定日は来年3月31日だ。

コリアPIホールディングスは、韓国のプライベート・エクイティ・ファンド(PEF)運用会社であるグランウッドPEがPI先端素材を買収するために設立した特別目的法人(SPC)だ。

アルケマは特殊化学製品と先端素材を生産するフランスの化学企業で、韓国内にも生産工場と研究開発(R&D)センターを置いている。

PI先端素材は韓国で唯一のポリイミド(PI)フィルム生産企業だ。

一般プラスチックより強度と熱安定性に優れた素材であるPIをフィルム状にしたPIフィルムは、モバイル機器やディスプレイパネル、電気自動車など様々な製品に使われる。

PI先端素材は昨年、売上高2千764億ウォン(約302億円)、営業利益521億ウォン(約57億円)を記録した。