サムスンSDIが全固体電池量産と超急速充電技術を発表へ

サムスンSDIは6日(水)から3日間、ソウル・COEXで開催される「インターバッテリー2024」に参加し、全固体バッテリーのリーダーシップを強化し、「超格差技術力」を基にバッテリー市場をリードしていく多様な製品ラインナップを公開すると5日明らかにした。以下に発表全文訳を掲載する。

※同社の発表原文(ハングル)はこちら:https://www.samsungsdi.co.kr/pr/sdi-news/3521.html?pageIndex=1&idx=3521&searchCondition=0&searchKeyword=

今回の展示会でサムスンSDIは、業界最高のエネルギー密度を誇る900Wh/LのASB(All Solid Battery)の量産準備ロードマップを初めて公開する。

'夢のバッテリー'と呼ばれるASBは、固体電解質を使用して火災の危険性が少なく、走行距離が長いため、バッテリー業界で注目されている次世代バッテリーだ。

サムスンSDIは、現在量産中の角型バッテリー(P5)と比較して約40%程度向上したエネルギー密度900Wh/Lの全固体バッテリーの開発及び量産準備計画を明らかにする予定だ。独自に造成した固体電解質素材の改善と革新的な無陰極技術を通じて陰極の体積を減らし、正極材を追加することで、業界最高のエネルギー密度を達成するという計画だ。

サムスンSDIは昨年末に新設されたASB事業化推進チームを中心に、SDI研究所Sラインでサンプルを生産するなど、全固体電池の事業化を本格化している。今回の展示会を通じて、2027年の全固体電池の量産が順調に進んでいることを、詳細なロードマップを通じて示す計画だ。

サムスンSDIは、業界初となる、(わずか)9分で、8%から80%までセル充電が可能な超急速充電技術も発表する。

リチウムイオンの移動経路を最適化し、抵抗を減らし、9分で80%まで充電が可能な超急速充電技術を開発中で、2026年の量産を目標としている。この技術は、従来のP5バッテリーに比べて充電時間を大幅に短縮することができると期待される。

また、20年間使用可能な超長寿命バッテリーの2029年量産計画も公開される予定だが、素材の耐久性強化を通じてバッテリーの寿命を現在の水準から2倍以上伸ばす計画だ。

これと共に、バッテリー端子を上から横に移動してエネルギー効率と冷却システムを強化した新しいフォームファクターの角型バッテリー及びモジュールがないCTP(Cell to Pack)技術も公開する。CTPは部品数を35%以上減らし、重量も20%削減した技術で、同じ体積で高エネルギー密度と革新的なコスト削減の実現を可能にした。

サムスンSDIは、バッテリーに火災が発生したり、衝撃が加えられたりする場合、発生する可能性のある高熱とガスを角型バッテリーの長所であるベント(排出口)に素早く排出し、バッテリー間の熱伝播を最小限に抑える熱拡散防止技術も公開する。

この他にも、ハイニッケルNCA 46パイとミッドニッケルNMX、LFPなど様々な素材のバッテリーラインアップを公開し、電気自動車バッテリープレミアム製品から普及型まで拡大されたポートフォリオを展示する。

サムスンSDIは、今年初めて新設された「インターバッテリー2024アワード」で主力ESS製品であるSBB(Samsung Battery Box)で「ESS最高革新賞」を受賞した。SBBは設置が容易で、直噴射システムを適用するなど安全性を高めた製品で、米国と欧州市場で技術力を認められた製品だ。

サムスンSDIはこの他にも小型バッテリー展示スペースを設け、電動工具、ガーデンツール、コードレス掃除機などに搭載される高出力円筒型バッテリーとGS24などIT機器用ポーチバッテリー及びウェアラブル用バッテリーを展示する。

ESG空間では、グローバルバッテリー企業としてESG経営を実践している活動を紹介する。業界初のカーボンフットプリント認証を受けた製品が展示される予定であり、2003年に韓国企業として初めて持続可能性経営報告書を発刊し、DJSI(ダウジョーンズサステナビリティマネジメント指数(DJSI)に選定された経緯、2025年のRE100イニシアチブ履行計画、バッテリーリサイクルに関する内容を紹介する計画だ。

サムスンSDIのチェ・ユンホ代表取締役社長は「サムスンSDIは、全固体電池を含む次世代の多様なフォームファクターの製品量産に向けた準備を順調に進めており、今後も超格差の技術力を通じてグローバルバッテリー市場をリードしていく」とし、「今回の展示会を通じてサムスンSDIの差別化された技術力と環境にやさしい未来社会の実現に向けた努力を確認することができるだろう」と述べた。