SKハイニックス、「HBM3E」量産供給の開始を発表

SKハイニックスは19日、HBM3Eの量産を開始し、顧客への納品も開始したことを明らかにした。

* HBM(High Bandwidth Memory): 複数のDRAMを垂直に接続し、従来のDRAMよりデータ処理速度を革新的に引き上げた高付加価値、高性能製品。HBMは第1世代(HBM)-第2世代(HBM2)-第3世代(HBM2E)-第4世代(HBM3)-第5世代(HBM3E)の順に開発された。HBM3EはHBM3の拡張(Extended)バージョン

SKハイニックスは同日のプレスリリースにおいて「当社はHBM3に続き、現存するDRAMの最高性能が実装されたHBM3Eも最も早く顧客に供給することになった」とし、「HBM3Eの量産も成功裏に進め、AIメモリ市場での競争優位を維持していく」と明らかにした。

※SKハイニックスの当該プレスリリース(ハングル):https://news.skhynix.co.kr/presscenter/hbm3e-production

膨大な量のデータを迅速に処理しなければならないAIシステムを実装するためには、多数のAIプロセッサとメモリをマルチ接続(Multi-connection)するように半導体パッケージが構成されなければならない。 そのため、AIへの投資を増やしているグローバルビッグテック企業は、AI半導体の性能に対する要求水準を高め続けており、HBM3Eはこれを満たす現存する最適な製品になるとSKハイニックスは期待している。

HBM3Eは、速度と発熱制御など、AIメモリに要求されるすべての部門で世界最高の性能を備えていると同社は強調した。この製品は毎秒最大1.18TB(テラバイト)のデータを処理し、これはFHD(Full-HD)級映画(5GB)230本分を超えるデータを1秒間で処理する水準だ。

また、AIメモリは非常に速い速度で動作する必要があるため、効果的な発熱制御が鍵となる。同社はこのため、新製品にアドバンスト(Advanced)MR-MUF*プロセスを適用し、放熱性能を前世代に比べて10%向上させた。

* MR-MUF:半導体チップを積み重ねた後、チップとチップ間の回路を保護するために液体状の保護材を空間間に注入し、固める工程。チップを一枚ずつ積み重ねるたびにフィルム型素材を敷き詰める方式に比べて工程が効率的で、熱放散にも効果的と評価されている。 特に、SKハイニックスのアドバンストMR-MUFは、従来の工程に比べてチップを積み重ねる際に加わる圧力を減らし、反り現象の制御(Warpage control)も向上させ、HBMの供給生態系内で安定的な量産性を確保するための核心となっている。

SKハイニックスのリュ・ソンス副社長(HBM Business担当)は、「当社は世界初のHBM3E量産を通じ、AIメモリ業界をリードする製品ラインアップをさらに強化した」とし、「これまで蓄積してきたHBMビジネスの成功経験を基に、顧客との関係を強固にしながら、'トータル(Total) AIメモリプロバイダー(Provider)'としての地位を確固たるものにしていきたい」と述べた。