「NAND価格、サムスン電子の減産でQ4に若干反発する可能性」トレンドフォース

メモリ半導体のNANDフラッシュ(以下、NAND)価格が今年第4四半期(10~12月)には若干上昇する可能性があるという見通しが出ている。

11日、台湾の市場調査会社であるトレンドフォースは、第4四半期のNAND価格が前四半期と同程度の水準を維持するか、0~5%上昇すると予想した。

※トレンドフォースの当該分析(英文):https://www.trendforce.com/presscenter/news/20230911-11839.html

世界的な景気低迷によるIT需要の縮小と供給過剰に伴い、NAND価格はしばらく下落傾向が続いていた。

トレンドフォースの集計によると、今年の第1四半期と第2四半期にそれぞれ前四半期比10~15%下落し、第3四半期にも5~10%下がる見通しだ。

表:トレンドフォース提供

しかし、サムスン電子などのサプライヤーの半導体減産効果が可視化され、NAND価格が若干反発する可能性が指摘される。

トレンドフォースは「持続的な需要減速に対応して、サムスン電子は9月からNAND50%減産に入った」とし、「他のサプライヤーも第4四半期に減産規模を拡大し、在庫削減に拍車をかけるだろう」と予想した。

ただし、「まだ明らかな需要増加は現れていない」とし、「真のゲームチェンジャーは厳格な生産管理であり、サムスン電子の積極的な減産が価格上昇という波及効果につながる可能性が高い」「この波及効果は、第4四半期のNANDフラッシュ全体のビット出荷量を押し上げ、サプライヤーの赤字ギャップを徐々に縮小させると予想される」と予想している。