韓国政府、二次電池に4兆円の政策金融実施へ…バッテリー再利用循環を育成

韓国政府が今後5年間、二次電池産業全分野に総額38兆ウォン(約4.1兆円)以上の政策金融を支援することが分かった。核心鉱物の海外依存度を下げるため、「使用済みバッテリー」の再製造・再使用・リサイクル市場を造成するなど、関連生態系も体系的に育成する計画だ。

韓国政府は13日、政府ソウル庁舎において、チュ・ギョンホ副首相兼企画財政部長官の主宰で緊急経済閣僚会議を開き、このような内容の「二次電池全サイクル産業競争力強化案」を議論した。

※韓国企画財政部の当該議論報告書(ハングル):https://www.korea.kr/common/download.do?fileId=197560452&tblKey=GMN

韓国政府は来年から2028年までの5年間で、二次電池産業全分野に38兆ウォン以上の政策金融を支援する方針だ。

二次電池サプライチェーンの安定化のため、関連企業に融資・保証・保険を拡大し、米国のインフレ削減法(IRA)に対応した北米の施設投資にも金利・保険料の引き下げなどを支援する。

今年末まで計1兆ウォン(約1100億円)規模の先端戦略産業ファンド造成も推進する。次世代二次電池技術開発プロジェクトを含め、来年の二次電池関連研究開発(R&D)に計736億ウォン(約81億円)が投入される。

一定基準を満たす使用済みバッテリーを「廃棄物」ではなく、リサイクルが可能な「製品」に育成する産業生態系活性化戦略も本格的に推進される。

使用後のバッテリーの一部は性能を復元して電気自動車用(再製造)に活用し、それ以外はエネルギー貯蔵装置(ESS)など残りの用途(再利用)に活用する方式だ。再製造や再利用が難しいバッテリーは、リチウム・ニッケルなど有価金属のみを回収する方式でリサイクルする。

すべての使用済みバッテリーがリサイクルされる場合、年間電気自動車17万台分の核心鉱物を確保できると政府は推定した。これは現代・起亜自動車の年間電気自動車生産規模(30万台)の半分を超える水準だ。

韓国政府はまた、2027年までにバッテリー製造から運行・循環利用まで全周期の履歴情報を連携・統合管理できる情報システムを構築し、段階別の情報入力も義務化する方針だ。

バッテリーの安全検査と履歴管理が強化されれば、電気自動車のバッテリー火災などの事故も未然に防ぐことができるというのが韓国政府の判断だ。

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