LGES、トヨタとEV電池供給で大型契約…年20GWh(発表全文日本語訳)

LGエナジーソリューション(LGES)が世界1位の自動車企業であるトヨタと共に急成長している北米の電気自動車市場攻略に本格的に乗り出す。

LGエナジーソリューションは5日、日本のトヨタ自動車と年間20GWh規模の電気自動車用バッテリーの大規模な長期供給契約を締結したと明らかにした。以下に発表全文の日本語訳を掲載する。

※LGESの当該報道資料原文(ハングル):https://www.lgensol.com/kr/company-newsroom-detail?seq=8567

今回の契約は、合弁工場(JV)を除くLGエナジーソリューションの単一受注契約としては最大規模だ。ハイニッケルNCMA*ベースのポーチセルが搭載されたモジュールが供給される予定で、LGエナジーソリューションはこのため、今年末から2025年まで米国ミシガン州工場に合計4兆ウォンを投資し、トヨタ専用バッテリーセル及びモジュール生産ラインを構築する計画だ。

* ハイニッケルNCMA:ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウムを使用した4元系リチウムイオン電池で、ニッケル比率を90%程度に高め、コバルト比率を10%以下に減らし、アルミニウムを追加して安定性を強化した。

生産されたバッテリーモジュールはトヨタの米国ケンタッキー工場でパックに組み立てられ、トヨタの新型電気自動車モデルに主に搭載される予定だ。

■LGエナジーソリューションのセル・モジュール、トヨタパックの技術力を結合してバッテリーの安全性・性能革新を実現

両社は、LGエナジーソリューションのセル及びモジュール技術力、トヨタのパック技術力が結合され、安全性及び性能など全ての面で一層強化されたバッテリーを生産し、さらに顧客が安心して走行できる電気自動車を販売することができると期待している。

LGエナジーソリューションは、2万9000件以上の特許と年間200GWh規模のグローバル生産能力など、バッテリーセル・モジュール分野で世界最高の技術力と量産能力を誇っている。実際、LGエナジーソリューションは今回の協力のためにハイニッケルNCMA基盤の熱制御技術の向上など有意義な成果を上げている。

トヨタも独自開発したプラットフォームと年間1000万台以上の自動車製造ノウハウを基に、高いレベルのバッテリーパック技術力を披露している。 

両社は、両社の技術力を組み合わせた革新的なバッテリーを通じて、トヨタの電気自動車が北米電気自動車市場の転換に新たなモメンタムを提示することができると期待している。

トヨタ自動車北米法人CEOのテッド・オガワ(Tetsuo Ted Ogawa)代表取締役は、「トヨタはできるだけ早くCO₂を削減したいと考えており、北米での電気自動車の販売拡大を目標としている」と述べ、「長期的な視点でリチウムイオン電池を開発することで、電気自動車の販売拡大につなげたい。

「長期的な観点からリチウムイオン電池の安定的な供給を確保することは、製造及び製品計画の重要な部分であり、LGエナジーソリューションと協力し、顧客の期待にふさわしい高い安全性、性能及び品質の製品を提供できることを非常に嬉しく思う」と述べた。

 LGエナジーソリューションCEOのクォン・ヨンソ副会長は、「世界1位のグローバル自動車会社であるトヨタとバッテリーリーディング企業であるLGエナジーソリューションの新たな協力が、北米電気自動車市場に大きな進展をもたらすきっかけとなるだろう」と述べ、「今回の協力を通じて北米生産ネットワークをさらに強化し、革新的な製品競争力を強化し、世界最高の顧客価値を提供していきたい」と述べた。 

■グローバル1位のトヨタとの協力で北米市場で圧倒的な優位性を先取り

LGエナジーソリューションがトヨタとバッテリー供給協力を結ぶのは今回が初めてだ。

トヨタは昨年売上高371兆ウォン、世界自動車販売台数1位を達成するほど自動車産業の伝統的な強者だ。北米でもGMに次いで自動車販売台数2位を記録するなど、影響力が高い。

最近では2030年までに30種類の車両を発売し、グローバル市場で年間350万台の電気自動車を販売するという計画を発表するなど、電動化戦略の推進に拍車をかけている。

一方、LGエナジーソリューションは今回の契約でグローバルTop5完成車会社(トヨタ、フォルクスワーゲン、ルノー・日産、現代自動車、GM)全てにバッテリーを供給することになった。特に、今回の大規模供給契約を通じ、北米電気自動車市場で圧倒的な競争優位を先取りすることができるもう一つのきっかけを作った。

LGエナジーソリューションは現在、北米で2つの単独工場と6つの合弁工場を運営・建設し、顧客ポートフォリオとグローバル生産能力を持続的に拡大している。今年6月末現在、LGエナジーソリューションの累積受注残高は440兆ウォンだ。