韓国企業がEUV金属酸化物レジストを量産へ…JSR子会社との提携でOEM生産に

韓国企業が早ければ今年下半期から極紫外線(EUV)金属酸化物レジスト(MOR)フォトレジスト(PR)用新素材の量産に入るとの報道が出ている。独自生産ではなく、日本のJSRの子会社である米インプリアとの提携を通じたOEM生産になる見通しだ。

韓国の有力専門紙「THE ELEC」は3日、ワイシーケム(YCCHEM/旧ヨンチャンケミカル)は米国インプリアとのライセンス契約を通じ、EUV MOR PR用シンナーと現像液の量産に乗り出すと報じた。早ければ下半期に量産を開始する見通しだという。

※THE ELECの当該報道原文URL(韓国語):https://www.thelec.kr/news/articleView.html?idxno=20960

THE ELECのYouTube動画解説によると、ワイシーケムが量産するPR製品は、下半期から韓国の半導体製造企業SKハイニクスに供給される予定だという。

ワイシーケムが下半期の量産を目標にしているシンナーと現像液は、いずれも半導体露光工程に使用される素材だ。

ワイシーケムは昨年7月にコスダック(韓国新興株式市場)に上場したが、その際、素材の国産化を実現するという目標を投資家に提示している。

しかし、THE ELECによると、業界ではワイシーケムが素材自体の開発ではなく、ライセンス契約などを通じた製品OEMに集中すると見ており、独自開発をするだけの人材リソースが無いとのこと。

日本が2019年7月にとったフ半導体素材3品目の輸出規制(輸出管理強化)後、韓国では、フォトレジストやフッ化水素などの国産化を推進する企業が複数出現し、その動向が度々報じられてきたが、高純度フッ化水素やEUV用フォトレジストの量産適用が実現したとの確たる情報が未だ伝えられていない。

一方、日韓政府関係の改善を受け、日本政府は同輸出規制を最近解除している。

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