米議会調査局「米国の半導体企業支援は韓中台など競争国に比べて低レベル」

米国の半導体産業育成のために作られた半導体法に基づく投資支援が、韓国をはじめ台湾、中国など東アジア諸国と比較して少ないレベルに留まっていると米議会調査局(CRS)が指摘した。韓国各紙もこれを伝えた。

(参考記事:米議会調査局「米国は半導体を東アジアに過度に依存してきた」

CRSは24日(現地時間)に発表した報告書『国際的な観点から見た半導体法(原題:Semiconductors and the CHIPS Act: The Global Context)』において、「半導体法による米国政府の事業支援は、歴代あるいは過去の基準と比較すると非常に大きな水準だが、他の国の政府が現在提供している支援と投資と比較すると小さいレベル」であると分析した。

※CRSの当該報告書原文(英語):https://crsreports.congress.gov/product/pdf/R/R47558

同報告書は「これはまた、米国と外国の半導体企業が独自に米国または国際的に投資する規模に比べても低いレベル」であるとし、「2021年、韓国の半導体事業協会によると、韓国では2030年までに4千500億ドル規模の投資が行われる予定」であると明らかにした。

報告書は「韓国をはじめ、台湾、日本、マレーシア、シンガポールを中心とした東アジアは、世界的に競争力のある半導体業界の中心」であるとし、「米国は、システム半導体は台湾に、メモリチップは韓国に依存している」と付け加えた。

続けて「半導体設備に対する大規模な公共投資が韓国と台湾の企業を育成し、米国企業に対する競争力を強化した」とし、「商務省の分析によると、台湾政府は土地費用50%、建設及び設備45%、半導体生産25%など製造施設に対する補助金と税制優遇措置を提供している」と説明した。

韓国とシンガポールも半導体補助金を通じて施設費用を25~30%削減することで競争力を強化していると報告書は指摘した。

報告書は韓国と関連した別の項目では、「韓国政府の半導体産業支援はメモリ半導体設備と関連し、サムスンとSKハイニックスなどのリーディング企業に対する支援に集中している」とし、「1970年代以降の官民協力は、これらの企業が中核企業に発展するのに貢献した」と評価した。

報告書は、「韓国政府は2022年以降、米国とさらに緊密に連携して半導体産業の競争力を強化することに焦点を当てている」とし、「中国は(韓国が米国の輸出規制などの政策に同調する場合、韓国産業に与える影響を挙げて韓国政府を圧迫している」と付け加えた。

中国については、「生産規模と能力ともに現在は遅れているが、大規模な政府投資と核心装備及び外国半導体企業の買収で競争国に追いついている」と評価した。

報告書は続けて「中国はまた、米国や他の外国企業との連携を通じて恩恵を受けており、米国が主導するオープンソース技術プラットフォームに参加して利益を得ている」と分析した。

報告書は「東アジア各国政府のこのような半導体支援政策は、米国の半導体生産能力に影響を与え、米国業界が半導体を設計した後、生産は外国企業に任せるファブレスモデルに転換し、さらに恩恵を受けた」とし、「半導体産業の市場効率を高めたが、米国の生産施設の減少や米国のリーダーシップに対する挑戦など、新たなリスクをもたらした」と指摘した。

報告書は「技術進歩による半導体需要の増加及び新型コロナウイルス感染症後の半導体供給不足、中国主導の半導体産業育成、米国の独自半導体産業育成などの影響で、外国政府の半導体産業強化努力はさらに強くなっている」と強調した。

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