「今年のHBM市場、韓国勢がシェア二分…米マイクロンは縮小見込み」トレンドフォース

次世代高性能半導体DRAMである高帯域幅メモリ(HBM)市場で、現在首位のSKハイニックと2位のサムスン電子のシェア差が縮小するとの見通しが出た。

HBMは、複数のDRAMを垂直に連結して積み重ねてデータ処理速度を向上させたメモリで、人工知能(AI)分野で使われるグラフィック処理装置(GPU)に多く搭載される。

9日、台湾の市場調査会社トレンドフォースによると、昨年のグローバルHBM市場シェアはSKハイニックス50%、サムスン電子40%、マイクロン10%の順だ。

※トレンドフォースの当該報告(英文):https://www.trendforce.com/presscenter/news/20230809-11785.html

今年はサムスン電子がクラウドサービスプロバイダー(CSP)の受注増加に支えられ、SKハイニックスとのシェア差を大きく縮めるだろうとトレンドフォースは予想した。

また、HBM市場でSKハイニックスとサムスン電子は、今年46~49%、来年47~49%で同程度のシェアを占めると推定した。

表:トレンドフォース提供

SKハイニックスとサムスン電子のHBM市場シェア予測値を合わせると95%の水準に達する。

トレンドフォースは「SKハイニックスが現在、NVIDIAサーバーGPUの主要サプライヤーとしてHBM3生産で先頭を走っているが、サムスン電子は他のCSPの受注を満たすことに注力している」と説明した。

また、「マイクロンは、両社の積極的な事業拡大により、今後2年間、市場シェアが若干下落する可能性がある」とし、マイクロンのHBM市場シェアが今年4∼6%、来年3∼5%に下がると予想した。

また、HBM需要は3世代であるHBM2eから4世代であるHBM3に移行する傾向だ。昨年の需要比率はHBM2eが70%で圧倒的で、HBM3は8%に過ぎなかった。

しかし、HBM3を採用したチップが続々と市場に発売され、今年HBM2e50%-HBM3% 39%、来年HBM2e25%-HBM360%になるとトレンドフォースは予想した。

HBMは4世代HBM3に続き、5世代HBM3e、6世代HBM4の順に開発される。SKハイニックスとサムスン電子は5世代と6世代製品の量産を準備している。

前日、NVIDIAはHBM3eを搭載した次世代AIチップ「GH200グレースホッパースーパーチップ」を発表し、来年第2四半期にこの「スーパーチップ」を生産する計画を明らかにした。

※アイキャッチ画像:C. Spille/pcgameshardware.de