SKハイニックス「世界最高層’321段NANDを積み上げた…2025年量産」発表

SKハイニックスが世界最高層である321段のNANDサンプルを公開した。300段以上のNAND開発を公式化したのは世界初だ。

SKハイニックスは8日(現地時間)、米国カリフォルニア州サンタクララで開幕した「フラッシュメモリサミット(Flash Memory Summit-FMS)2023 」で321段1テラビット(Tb)TLC(Triple Level Cell)4D NANDフラッシュの開発経過を発表し、開発段階のサンプルを展示した。

SKハイニックスの当該報道資料(英文):https://news.skhynix.com/sk-hynix-showcases-samples-of-worlds-first-321-layer-nand/

NANDフラッシュは電源が切れてもデータが保存されるメモリ半導体で、セルを垂直に積み重ねてデータ容量を増やす積層技術が競争力の核心要素とされている。

メモリ業界で300段以上のNANDの具体的な開発経過を公開したのはSKハイニックスが初めてだ。SKハイニックスは、321段NANDの完成度を高めて2025年上半期から量産する計画だ。

SKハイニックス関係者は、「量産中の現存最高層238段ナンドを通じて蓄積した技術力を基に321段ナンド開発を順調に進めている」とし、「積層限界を再び突破し、SKハイニックスが300段台ナンド時代を開き、市場を主導する」と強調した。

これに先立ち、SKハイニックスは昨年8月、フラッシュメモリサミットイベントで業界最高層である238段NAND4D新製品を公開し、注目を集めた。

マイクロンが昨年7月に232段NANDの出荷を開始したのに続き、サムスン電子[005930]が同年11月に236段と推定される1Tb第8世代Vネンドの量産を開始するなど、半導体メーカーではこれまで技術障壁の限界とされた「200段」を超えたNAND段数競争が激しい。

今回SKハイニックスが公開した321段1Tb TLC NANDは、前世代の238段512ギガビット(Gb)と比較して生産性が59%向上した。

データを保存するセルをより高い単数で積み重ね、一つのチップでより大きな容量を実現することで、ウェーハ1枚で生産できる全体容量が増えたからだ。

NANDは一つのセルに何個の情報(ビット単位)を保存するかによって、SLC(1個)、MLC(2個)、TLC(3個)、QLC(4個)、PLC(5個)などに規格が分けられる。情報保存量が増えるほど、同じ面積に多くのデータを保存することができる。

チャットGPTがきっかけとなった生成型人工知能(AI)市場の成長で、最近メモリ市場では、より多くのデータをより速く処理して保存するための高性能・大容量メモリの需要が急増している。

SKハイニックスは今回のイベントで、次世代NANDソリューション製品であるPCIe5世代(Gen5)インターフェースを適用した企業用SSD(eSSD)とUFS 4.0も一緒に紹介した。

SKハイニックスは、これらの製品が業界最高水準の性能を確保したため、高性能を重視する顧客のニーズを満たすものと期待している。

また、次世代であるPCIe 6世代とUFS 5.0の開発に着手したことを明らかにし、業界の技術トレンドをリードする意志も再確認した。

チェ・ジョンダルSKハイニックスNAND開発担当副社長は、基調講演で「4D NAND第5世代321段製品を開発し、NAND技術リーダーシップを確固たるものにする計画」とし、「AI時代が要求する高性能、大容量NANDを市場に主導的に投入し、革新をリードしていく」と述べた。

フラッシュメモリサミットは毎年サンタクララで開かれるNAND業界世界最大規模のカンファレンスだ。