KAIST「有毒物質を除いた超高解像度QLED新技術を開発」

最近、ディスプレイパネルに使われる次世代発光素材として量子ドットが注目されている。

特に、カドミウム・鉛のような有毒物質を含まない環境にやさしいインジウムホスファイド(InP)量子ドットが注目されているが、現在の技術では超高解像度の実現が難しく、量子ドットLED(QLED)ディスプレイやメガネ型拡張・仮想現実機器に適用するには限界があった。

韓国科学技術院(KAIST)新素材工学科のチョ・ヒムチャン教授の研究チームは、環境にやさしいInP量子点の優れた光学的特性を維持しながら超高解像度でパターンを製作する技術を開発したことを26日に明らかにした。

※KAISTの当該発表文(ハングル):https://news.kaist.ac.kr/news/html/news/?mode=V&mng_no=31710

研究チームは紫外線を受けると酸を発生させる「光発電機」の原理を活用して超微細量子ドットパターンを製作した。

量子ドットが紫外線を受けると、生成された酸によって量子ドット表面が変化し、紫外線を受けない部分に比べて溶解度の差が生じ、パターンが形成される原理だ。

研究チームはパターニング時に損傷したInP量子点の発光効率を飛躍的に高めることができる量子点表面治療法も開発した。

これにより、最終的に高い発光効率を持つ1㎛(マイクロメートル-100万分の1)級の超微細量子ドットパターンを実現した。

これは既存のテレビ・スマートフォン・モニターなどのディスプレイで一般的に要求されるピクセル幅と比較すると、数十分の1サイズの小さなパターンであるため、メガネ型拡張・仮想現実機器に適用する可能性を高めたと研究チームは説明した。

チョ・ヒムチャン教授は「次世代量子ドットLEDベースのディスプレイ、拡張現実機器、イメージセンサーなど多様な産業に実際に適用できるだろう」と話した。