「車載用OLED市場は急成長へ…韓国勢がキープレーヤーに」トレンドフォース

車載用ディスプレイ市場でOLEDパネルが占める割合が3年以内に約15倍に成長するという見通しが出るなか、LGディスプレイとサムスンディスプレイなど韓国企業の躍進が予想されている。 

3日、市場調査機関トレンドフォースが最近発表した「自動車ディスプレイ市場分析」報告書によると、世界の車両用パネル供給量のうち、OLED製品の市場シェアは今年0.6%から2026年には8.9%まで成長する見通しだ。2026年の全体供給量が2億4000万枚と予想されることを考慮すると、OLEDパネルの供給量は約2136万枚レベルになるとみられている。 

※トレンドフォースの当該報告文(英文):https://www.trendforce.com/presscenter/news/20230926-11861.html

トレンドフォースは、車両用ディスプレイに対する完成車メーカーの要件が高度化・多様化され、OLEDパネルを採用する事例がさらに増えると予測した。リフレッシュレートが高く、パネル自体が薄いうえ、柔軟な基板特性を持っているため、多様な機能を実装することができるという説明だ。 

欠点として指摘される耐久性の問題は、有機発光層を複数層で積み重ねるタンデム(Tandem)OLED構造を通じて解決できるとトレンドフォースは見ている。単一層を適用した場合よりも電流密度を改善して電力消費を削減し、寿命を少なくとも2倍以上向上させることができると強調した。 

写真:トレンドフォースが最近発行した「自動車ディスプレイ市場分析」報告書によると、世界の自動車用パネル供給量のうち、OLED製品の市場シェアは今年0.6%から2026年には8.9%まで成長する見通しだ。(グラフ:トレンドフォース)

車両用OLEDパネル市場のコアプレーヤーとしては、LGディスプレイとサムスンディスプレイを挙げた。サムスンディスプレイはフェラーリ、BMWなどから受注を獲得した。LGディスプレイは9カ所の高級自動車ブランドを顧客として確保し、OLEDパネルの供給を推進している。 

車載用ディスプレイは長年のパートナーシップが重要な分野であるため、主導的な地位を築いた両社の競争力が際立つと予想されている。自動車用ディスプレイはテストと認証に約2~3年かかる。新車発売前の研究開発(R&D)段階から協力する。

トレンドフォースの関係者は「OLEDパネルの利点は、自動車ディスプレイにかなりの付加価値を提供することができる」とし、「特に、フレキシブルOLEDパネルは、車両デザインにもっと多くの革新を可能にし、主に自動車市場のフラッグシップおよびハイエンド製品に位置づけられるだろう」と述べた。

※アイキャッチ画像:LGディスプレイ