サムスン「来年HBM供給を今年の2.5倍以上に増やす」「すでに顧客と協議完了」

サムスン電子が31日、生成型人工知能(AI)の普及で急浮上する高帯域幅メモリ(HBM)と関連し、来年のHBM生産能力を今年より2.5倍以上増やす計画を明らかにした。

サムスン電子メモリ事業部のキム・ジェジュン副社長は31日、第3四半期(7~9月)決算発表カンファレンスコールにおいて、「現在、HBM3とHBM3E新製品事業を拡大中であり、すでに主要顧客と来年の供給量に関する協議を完了した状況」とし、「来年のHBM供給能力は、業界最高水準を維持するため、今年比2.5倍以上を確保する計画で、すでに主要顧客社と来年供給協議を完了した状態だ」と述べている。

(参考記事:サムスン電子2023年第3四半期実績発表カンファレンスコール全文(有料)

キム副社長は「HBM3は第3四半期にすでに8段と12段の量産供給を開始し、第4四半期には顧客社拡大を通じて販売を本格化している」とし、「HBM3の割合は持続的に増加し、来年上半期内にHBM全体の販売量の過半数を超えると予想する」と述べた。

次世代であるHBM3Eも24ギガバイト(GB)のサンプル供給を開始し、来年上半期内に量産を開始する予定で、36GB製品は来年第1四半期にサンプルを供給する予定だ。

HBMは複数のDRAMを垂直に接続してデータ処理速度を革新的に引き上げた高性能メモリで、1世代(HBM)-2世代(HBM2)-3世代(HBM2E)-4世代(HBM3)-5世代(HBM3E)の順に開発されている。

サムスン電子は先月20日、米国シリコンバレーで開かれた「メモリーテックデー」イベントで、毎秒最大1.2テラバイト(TB)以上のデータを処理できる超高性能HBM3E DRAM「シャインボルト」を初めて披露した。

キム副社長は、「来年下半期にはHBM3Eへの急激な転換を通じて、さらに高まるAI市場のニーズに積極的に対応する計画」とし、「今後もHBMのリーディングカンパニーとして製品競争力と安定的な供給力などを基盤にHBM市場のリーダーシップを強化していく」と述べた。

(参考記事:サムスン電子のQ3決算発表全文訳…半導体赤字は4150億円