韓国のバッテリー大手であるサムスンSDIが「夢のバッテリー」と呼ばれる全固体バッテリーのサンプル生産を今年下半期中に開始すると明らかにした。
(参考記事:韓国経済団体「日本が電池産業復活のため5兆6千億円投入」「全固体電池でも先行…韓国も大規模支援を」)
30日、サムスンSDIは昨年実績発表とともに企業説明会を開き、このように明らかにした。 ソン・ミカエル=サムスンSDI副社長は「業界初の純粋全固体電池を生産するラインが上半期中に竣工される予定」であるとし、「下半期中に小型サンプルセルを製作してテストを開始する」と述べた。
※サムスンSDIの実績発表報道資料:https://www.samsungsdi.co.kr/pr/sdi-news/3081.html
※サムスンSDIの実績説明音声:https://www.samsungsdi.com/ir/index.html
全固体電池は、二次電池の内部に液体電解質の代わりに固体電解質が使用される。 技術水準では現在日本が先行しているという評価を受けている。 爆発の懸念が小さいだけでなく、エネルギー密度を高めることができ、「夢のバッテリー」「ゲームチェンジャー」などと呼ばれる。
サムスンSDIは小型サンプルセルで素材や製造工法などをテストする一方で、徐々にバッテリーサイズを拡げ、高いエネルギー密度と安全性を実現するために技術開発に拍車をかける見通しだ。 商用化目標時点は2027年だ。
次世代主力製品として挙げられる46mm円筒型バッテリーも下半期中量産に突入する。 ソン副社長は「天安事業場に投資中の46mm製品ラインは上半期中に設備準備を終えて稼働を開始する予定」であるとし、「多数の顧客と協力を議論中」だと明らかにした。
直径46mmの円筒型バッテリーセルを採用した完成車メーカーとしてはテスラが代表的だ。 最近、BMWも次世代電気自動車プラットフォームに直径46mmバッテリーを搭載すると明らかにした。 サムスンSDIとBMW間の供給議論が進んでいるというのが見方だ有力視されている。
サムスンSDIはこの日、昨年の年間売上高と営業利益がそれぞれ20兆1240億ウォン(約2.1兆円)、1兆8080億ウォン(1900憶円)だと明らかにした。 2021年よりそれぞれ48%、69%増えた。 バッテリー部門だけ集計すれば売上17兆5663億ウォン(約1.85兆円)、営業利益1兆2538億ウォン(約1320億円)を収めたが、これは前年比それぞれ60.5%、69.4%増加した。 今年は電気自動車用バッテリーとエネルギー貯蔵装置(ESS)用バッテリー市場の攻略を強化する計画だ。
ソン副社長は「主力製品であるP5の顧客需要はさらに増える見通し」とし「エネルギー密度を15%以上高めたESSソリューションを下半期中に発売する計画」であると話した。
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