韓国デロイト「日本の水素産業は世界最高水準」「韓国は隣国の立地利用すれば利益大」

韓国は水素産業の育成に力を入れようとしている。去る2022年11月9日には水素産業の本格的な成長のための政策方針が発表された。韓国は水素燃料自動車の分野ではすでに現代自動車が「NEXO」の量産に成功しており、燃料電池部門でも、源泉技術を保有するなど高レベルの技術力を有している。しかし、総合力では日本を下回っているようだ。

(参考記事:韓国貿易協会「水素技術の国際特許、欧州が28%、日本が24%保有」「韓国は初期段階」

デロイトコリアが一昨年に発表した報告書「韓国のグローバル水素経済先導のための中長期方向提言」によると、韓国の水素産業は欧州や日本に比べ生態系基盤自体が弱い状況だと指摘された。

同報告書を執筆したチェ・ヨンホ研究院(デロイトコリアパートナー)は、日本は早い時期から水素エネルギーを国家経済の成長エンジンと定め、燃料電池技術と水素利用技術及び開発投資を推進しており、「2009年から家庭用燃料電池システムであるエネファーム(Ene-Farm)を導入し、燃料電池分野の特許出願件数、燃料電池の商品化及び普及実績において世界最高水準である」と伝えた。

特に、2014年トヨタ(Toyota)のミライ(Mirai)発売及び2016年ホンダ(Honda)のクラリティ(Clarity)発売など、水素車及び水素充電所分野においても豊富な技術蓄積の歴史を有していると説明している。

チェ研究員は続けて「すでに日本、ドイツなどは国家レベルで海外水素供給網構築のための様々なプロジェクトを推進中であり、特に、日本は水素を重要な海外資源として認識し、海外生産・導入に取り組む企業に対する積極的な支援に取り組んでいる」と指摘した。

また、チェ研究員は。これまで日本や韓国など北東アジア各国は他地域のLNG取引価格に比べて著しく高い「アジアプレミアム(Asian Premium)」を払わされてきたことを挙げ、水素経済においても同様のリスクが存在することを指摘し「韓国と日本ともに自国で水素を生産することに限界があるため、両国は来るべき水素時代にも、近くは東南アジア、オーストラリア、遠くは中東、米国などから水素輸入を繰り返さなければならない可能性が高い」と伝えた。

ただし、チェ研究員は「日本の水素戦略は、一方的にエネルギーを輸入していた過去の失敗を繰り返さないという決然とした意志を示している」とし、「オーストラリア、中東、ロシアなど海外水素生産源の確保から国内輸送まで様々な海外プロジェクトを主導し、単純に輸入国の立場に立たないという姿勢が見られる」と評価している。

一方、韓国に関しては、「北東アジア水素取引ハブ」を目指すべきであるとし、「韓国は最大の水素需要国である中国と日本の中間に位置する地理的利点から派生する物流の中心という利点がある」と主張。

加えて「ロシア(当時)や米国など関連周辺国との連携も比較的容易である」ことや、「また、大規模なLNG貯蔵設備及びターミナルを保有している」ことなどを挙げ、「北東アジアの水素取引ハブを韓国が主導する場合、得られる利益は無限大であると予想される」と伝えている。

先立って、韓国貿易協会は今年1月、日本の水素関連技術特許数が欧州に次いで高い水準にあると伝えていた。

(参考記事:韓国紙「日本が欧州で水素タービン市場開拓…23兆円規模」 韓国も国産化進むがリスクも
(参考記事:「米国人が買いたいエコカーTOP10」に日本のHVが6台 韓国EVは圏外に
(参考記事:韓国紙「日本の輸出規制の噂受け、中国フォトレジスト企業株価が急騰」…韓国でも過去に類似例

(参考記事:韓国紙「日本主導のタイ高速鉄道事業に拍車…1.6兆円規模」 韓国参加の事業は?
(参考記事:韓国紙「中国が日本製半導体素材など大量備蓄…制裁本格化に備え」
(参考記事:韓国紙「日本が水中ドローンを国産化へ」 韓国は5年前に着手も今は?