「米国人が買いたいエコカーTOP10」に日本のHVが6台 韓国EVは圏外に

米国で最も購入が検討されているエコカー(純EV+PHEV)はトヨタの準中型SUV「RAV4」の電動化モデル(ハイブリッド、PHEV)であることが分かった。購入が検討されている上位10台には日本車が多くランクインしている。

(参考記事:「世界的にEVよりHV好む人が2倍以上」「韓国は日本の次にHV派多かった」…デロイト調査

最近、米国でエコカーを購入する際、純EVよりもハイブリッドを選択する消費者が増えているようだ。ケリー・ブルー・ブック(Kelle Blue Book)レポートによると、新車購入者の25%が電動化モデルを検討していることが分かった。これら顧客のうち、約二倍が純粋EVよりハイブリッドを検討しているという。

ケリー・ブルー・ブック「ブランド・ウォッチ・レポート」による直近(昨年第4四半期)の購入検討ランキングを見ると、1位トヨタRAV4ハイブリッド、2位ホンダCR-Vハイブリッド、3位テスラモデルⅢ、4位トヨタハイランダーハイブリッド、5位フォードマーベリックハイブリッド、共同5位ホンダアコードハイブリッド、7位トヨタカムリハイブリッド、8位フォードライトニングハイブリッド、9位トヨタプリウス、10位フォードボルトEVだった。

RAV4 TOYOTA

上記ランキングのうち日本車は実に6台もランクインしている。また、純粋EVは2台のみで、あとはすべてハイブリッド車だった。韓国車はランクインしていない。

ハイブリッドへの選好度が高い理由としては、走行距離がバッテリーによって制限されないため、走行距離や充電インフラ不足に対する懸念が少ないが挙げられる。また、EVに比べてハイブリッド車は安価であり、走行コストも比較的安い。そのため従来の内燃機関車の利便性を持ちながらも、EVの不便さを感じることなく燃費の良さを享受し、環境への負荷も減らせるという利点がある。

EVへの移行ムーブメントにやや乗り遅れているとみられる日本車メーカーだが、ハイブリッドに対する選好度が米国でも根強いこと分かったことは、ポジティブな要素となるとみられる。

一方、韓国の現代自動車・起亜自動車はEVの開発・販促を積極的に推し進めており、アイオニック5(現代)やEV6(起亜)は世界の有力自動車賞でも受賞するなど専門家からの評価も高い。昨年前半は米国市場でも一時、テスラに次ぐEV販売量を記録したが、その後成立した米インフレ削減法(IRA)により、最大約100万円のEV購入補助金の対象外となり、販売量が減少した。ケリー・ブルー・ブックの購入検討ランキングで圏外になったもその影響があるとみられる。

ちなみに、韓国のエコカー市場ではEVの販売量が2022年9月にハイブリッド車を初めて追い抜いた。韓国ではハイブリッド車の購入補助金が2021年から廃止されるなど、EV時代にシフトしているが、しかし2022年には前年比14.3%増となる合計21万1304台のハイブリッド車(新車)が販売されるなど、根強い人気を誇っている。輸入車ではレクサスやトヨタのハイブリッド車が販売上位に名を連ねている。

(参考記事:米国の自動車寿命調査で日本車が圧倒的評価…最大48万km 韓国車は?
(参考記事:現代自動車の韓国市場シェアが9割超に 独占利益活かし世界シェアも3位浮上
(参考記事:【韓国スーパーカー列伝③】N Vison 74:現代車の秘密兵器はデロリアン仕様…電気&水素のハイブリッド

(参考記事:【韓国自動車名鑑②】ポーターⅡエレクトリック:日本に5年先行する商用車のゲームチェンジャー
(参考記事:韓国現代自動車、米国でのリコール台数が海外系1位に…ホンダの10倍超
(参考記事:独のハイブリッドSUV評価で韓国車が1位に…トヨタRAV4は?