韓国メディア・ニューシスは24日、時事通信などの同日報道をもとに、理化学研究所(理研)など日本の研究グループが開発中の日本初の量子コンピューターについて、クラウドを通じた外部利用を27日から開始すると報じた。
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当初は研究グループ内の大学や企業を対象に量子コンピューター利用が可能だが、徐々に対象を拡大していく計画だ。
量子コンピューターは、量子物理学の性質を利用して計算を行う制御可能な量子力学デバイスだ。一部の計算タスクでは、量子コンピューティングは指数関数的な速度向上をもたらし、さまざまな問題を高速で解ける「夢のコンピューター」と期待されている。
<動画:理研の当該発表>
ニューシスは「国際社会では、スーパーコンピューターを上回る計算能力を持つ量子コンピューターの研究開発競争が激しく繰り広げられている」とし、「理化学研究所などは、実際に使用する際に現れる問題を改善していくなど開発を進め、人材育成と関連産業の発展を目指す」と伝えた。
研究グループが開発した量子コンピューターは超伝導方式と呼ばれ、超伝導素材を使った集積回路をほぼ絶対零度まで冷却して使用する。情報を扱う基本部品「量子ビット」は64個搭載している。
理化学研究所のほか、大阪大学や富士通、NTTなどが参加し、本体や制御装置などを開発した。
一方、韓国科学技術情報研究院(KISTI)が発表した量子技術関連の報告書、韓国の量子コンピューター専門人材は欧米や中国など競争国の10分の1にも満たないことが分かっている。韓国の量子コンピューター市場規模は昨年基準34億9,000万ウォンで、世界市場(4億7,160万ドル)のわずか0.56%程度にしか達していない。
そのため、韓国政府は量子技術へのテコ入れを検討しており、今月初め、約1兆ウォン(約1千億円)規模の「量子科学技術フラグシッププロジェクト」の予備妥当性調査を申請したことが分かっている。韓国政府は来年から2031年まで8年間に計1兆ウォンが投入されるこのプロジェクトを通じて、量子コンピューター・通信・センサー分野の核心技術を確保する計画だ。
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