2年ぶりに実現した韓日首脳会談のムードで、日本の先端産業素材・装備企業の韓国への投資が再び増加する兆しを見せている。政府が先端産業のサプライチェーンの安定を目指し、韓日経済協力強化に乗り出す中、両国の経済界も出会いを増やしている。
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韓国産業省(産業通商資源部)は3月30日(木)、李昌洋長官主宰で「日系外資系企業投資活性化懇談会」を開催し、韓日間の経済協力強化と国内投資拡大のための方策を議論した。現地の日系企業代表者9名がここに参加した。
去る3月16日に東京で開催された日韓首脳会談をきっかけに両国関係改善に対する共感が形成され、これを基に政府は日系外資系企業の国内投資を促進し、両国のサプライチェーン協力を強化するために懇談会を開催した。
韓国産業省は、「日本は韓国の5大投資国であり、日系外資系企業は機械製造、金属素材、電子部品など様々な分野で韓国に持続的に投資し、韓国の製造業の成長と共に歩んできた」とし、「最近、世界的な投資の不確実性が続く中、安定的なサプライチェーンを構築するためにも、日本は韓国の重要な投資パートナーとして浮上している」と強調した。
懇談会に参加した東レ先端素材は先月、高性能エンジニアリングプラスチックであるPPS*生産施設の増設投資計画(5千万ドル以上)を発表し、今後、炭素繊維などの増設投資計画を検討していく予定だと述べた。
* ポリフェニレンサルファイド(PPS):耐熱性・耐久性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックであり自動車(エンジン、電気自動車モーター、バッテリーなど)、電気電子部品、医療機器などに活用される。
ニッカコリアなど半導体用素材・装備企業も国内生産施設の増設投資を検討する計画だと明らかにした。
懇談会には、東レ先端素材、ニッカコリア、ダイキン先端マテリアルズコリア、東京エレクトロンコリア、出光電子材料コリア、イビデングラファイトコリア、韓国アルプス、韓国エバラ精密機械、韓国フジフィルムエレクトロニックマテリアルズなどの代表者9名が参加した。
李昌洋産業部長官は「韓日首脳会談を通じて両国が未来志向的な発展方向を議論できる土台を作ったので、これを機に日本系外資系企業の積極的な国内投資拡大を期待し、国内産業生態系内で活発な協力が行われるよう、企業しやすい環境を造成するために積極的に努力していきたい」と述べた。
特に、今後造成される龍仁半導体クラスターへの関心を呼びかけ、「半導体素材、装備など先端産業分野の積極的な投資を通じてサプライチェーン協力を強化していこう」と強調した。
また、イ長官は「素材・部品・装備の外国人投資企業が国内半導体クラスターに投資すれば、地理的近接性を活用し、サムスン電子やSKハイニックスなど需要企業との連携を通じて技術向上と生産工程の改善がスムーズになり、韓国の半導体産業生態系強化にも役立つだろう」と付け加えた。
一方、懇談会に参加した企業家らは、投資拡大のために税制支援と果敢な規制革新が必要だと提案した。
これに対し、李長官は「半導体など国家戦略技術分野の施設投資に対する税額控除率を引き上げる租税特例制限法改正案が3月30日の本会議の議決を控えている」とし、「投資拡大と企業間の協力が具体的な成果につながるよう、政府も税制支援の拡大とともに、先端産業分野の外国人投資に対するインセンティブの拡大、グローバルスタンダードに合わせた規制革新など、外国人投資環境の改善を積極的に推進していきたい」と述べた。
(参考記事:韓国産業研究院「日本と協力し次世代半導体開発を」「韓国の技術は限界」)
(参考記事:韓国紙「中国の半導体生死は日本次第」「ニコンの露光装置に最後の期待」)
(参考記事:韓国全経連「日韓が協力すれば交渉力高まる」「脱中国や対米、資源輸入で威力」)
(参考記事:「サムスンからTSMCに半導体注文の相当量が流出…挽回困難」トレンドフォース)
(参考記事:韓国紙「中国が日本製半導体素材など大量備蓄…制裁本格化に備え」)
(参考記事:東レが韓国でPPS樹脂生産を5千トン増強 世界最大メーカーの立地高める)