13日、韓国消防庁は韓国水力原子力(韓水原)の資料をもとに、1978年に韓国初の原子力発電所第1号が建設されて以来、韓国では1件の原発事故も発生していないが故障は多く発生していることが分かったと伝えている。韓国各紙もこれを伝えた。
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世界60カ国以上が使用する国際原子力事象等級(INES)によると、1~3等級の事象を故障(Incident)とし、4~7等級の事象を事故(Accident)と定義している。故障は原発従事者や近隣住民に放射線の影響を及ぼさないケースを指す。
韓水原によると韓国ではこれまで4等級以上の事故は1件もなかったが、1~3等級の故障は毎年複数回発生しているという。
日本の福島原発事故が発生した2011年から昨年まで、韓国で予期せぬ故障や誤動作で原発が不意に停止した事例は全53件と集計された。昨年は稼働中の原発計25基で4件の不時停止が発生した。
一方、韓国原子力安全技術院の調べでは、福島原発事故が発生した2011年から今年まで韓国内原発で、小さな故障も含めると計141件の故障が発生したとされる。韓国消防庁は「12年間、毎月1件ずつ故障が発生したことになる」と伝えている。
消防庁は「韓水原は国内原発の安全性を高めていると強調しているが、一度の事故が大型災害につながる可能性がある原発事故に対する不安は依然として残っている」とし、「さらに、老朽化した原発の寿命延長、使用済み核燃料貯蔵施設の設置、日本の汚染水の海洋放流の動きは恐怖を増幅させる要因だ」と分析した。
韓国消防庁によると、韓水原は福島原発事故以降、独自の安全対策56件について措置をとっており、原発関連建物の耐震・防水・防火対策や、原発付近にある海岸の防護壁の高さ増築、停電時に備えた移動型非常用発電機の高所設置、炉心冷却のための非常用冷却システムの補強、移動型水ポンプ車の補充などがなされてきた。
また、韓水原は、国内のすべての原発に「地震自動停止設備」を装備し、マグニチュード6.5以上の地震が検出されると原子炉を停止させ、原発を安全な状態に維持できるように地震に備えた原発の安全性も高めている。
そのような効果があったのかは不明だが、韓国の原発一基当たりの不時停止件数は、福島原発事故が発生した2011年の0.33件から昨年は0.16件と半分以下に減少している。
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