米シンクタンク「米政府は中国の経済圧迫受けた被害国を支援する機関設立を」

中国が経済力を武器に他国を圧迫するのを防ぐため、米国政府が別の政府機構を構成し、被害国を支援する基金などを設けるべきだと米国の有力シンクタンクが提案した。

(参考記事:米有力シンクタンク「G7は韓国を正式メンバーに加えG8にすべき」

戦略国際問題研究所(CSIS)は21日(現地時間)発表した報告書で、米国政府が中国の経済的強圧に対応する戦略と資源などを調整するため、汎政府機関である「経済的強圧対応委員会」を設立することを提言した。聯合ニュースなど韓国各紙も報じた。

報告書は、米国政府に欧州連合(EU)が推進するものと同様の経済的強圧対応ツールを準備すべきだと提案した。ただし、報告書は中国に対する報復などの対抗措置ではなく、標的にされた国の被害を緩和するための基金造成など救済政策を中心にすることを提案した。

米国政府が、被害国政府が発行した国債の返済を保証し、被害国から輸入する物品の関税を引き下げ、被害国の企業に投資した投資家を政治的リスクから保護する保険を提供する案などが具体的に挙げられた。

報告書は、どのような行為が経済的強圧に該当するか事案別に規定する権限を大統領に付与し、中国が特定の国を経済的に圧迫していると判断されれば、対応委員会が大統領に可能な救済政策を勧告することを注文した。

また、被害国が核心技術など戦略分野で中国とのデカップリング(分離)に速度を出すようにすることを対応委員会の課題の一つとして提案した。

続いて、米国と同盟が推進するサプライチェーン強化の目的の一つとして、中国の経済的強圧に対する防御を明記する必要があると強調した。

また、中国が圧迫する危険性がある国々と自由貿易協定(FTA)を締結し、これらの国の中国市場への依存度を減らし、これらの国が自国経済の脆弱な産業と領域を特定することを支援するようにもした。

報告書はこのすべての過程で、米国政府がすべての負担を一人で背負うのではなく、G7(主要7カ国)と協調するなど外交努力を強化することを提案した。

報告書は一方で、韓国が2016年に受けた高高度ミサイル防衛システム(THAAD-サード)の報復と2010年の日本に対する希土類(レアアース)輸出禁止など、中国の経済的強圧事例8件を分析した結果、中国が得た効果はそれほど大きくないと評価している。

(参考記事:「中国の台湾侵攻時、日本は戦闘機100機、軍艦26隻喪失」米CSIS分析
(参考記事:韓国紙「米国が日本に空中早期警報機を販売…1896億円規模」「対中牽制」
(参考記事:米有力研究所「日米蘭の対中半導体輸出規制に韓国も参加させるべき」

(参考記事:韓国紙「中国の半導体生死は日本次第」「ニコンの露光装置に最後の期待」
(参考記事:米議会調査局「米国の保護貿易は近隣窮乏化政策」「米企業の競争力低下させる」
(参考記事:韓国分析機関「欧米銀の不渡りリスク急騰」「日本も打撃、韓国は健全」