韓国科学技術院「レーザーで原子をキャッチボールする技術を開発」

量子コンピューターの基本構成要素である原子を移動して配置する技術は、リュードベリ原子の量子コンピューティング研究にとって非常に重要である。

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しかし、原子を所望の位置に配置するには、一般的に光ピンセットと呼ばれる非常に集束されたレーザービームを使用して原子を一つずつ掴んで運搬しなければならないが、このように運搬する間に原子の量子情報が変化する可能性が高くなる。

KAIST(韓国科学技術院)物理学科のアン・ジェウク教授の研究チームが、レーザービームを利用してルビジウム原子を一つずつ投げたり受けたりする技術の開発に成功した。

研究チームは、光鉗子が原子と接触する時間を最小化し、量子情報が変化しないように原子を投げたり受けたりする方法を開発した。

研究チームは、原子の温度が非常に低く、絶対零度以下4000万分の1の温度の冷たいルビジウム原子が光鉗子の焦点に沿って光が加える電磁力に非常に敏感に動くという特性を利用した。

研究チームは光鉗子のレーザーを加速して原子に光学的なキックを与え、原子を目標地点に送った後、別の光鉗子で飛んでくる原子を捕まえて止めた。

原子の飛行速度は65cm/sで、移動距離は最大4.2マイクロメートルだ。従来の光鉗子で原子を捕まえて移動する技術と比較して、原子を投げて受け取る技術は、原子移動のための光鉗子の移動経路計算が不要になり、原子配列に生じる欠陥を簡単に修正することができる。

その結果、多数の原子配列を生成・維持するのに効果的で、量子情報を持つ原子(flying atom qubit)を追加的に投げたり受けたりする際に、量子配列の構造変化を前提とする新しい、より強力な量子コンピューティング方法を研究することができる。

アン教授は「この技術は、より大きくて強力なリュードベリ量子コンピューターを開発するために使われるだろう」と話した。

リュードベリ量子コンピューターで原子は量子情報を保存し、電磁力を通じて隣接する原子と相互作用して量子コンピューティングを実行できるように配置される。

もしエラーが発生し、原子を交換したり移動したりしなければならない場合、原子を投げて素早く再構成する方法が効果的である。

KAIST物理学科のファン・ハンソプ、ビョン・ウジョン博士課程研究員と日本国立自然科学研究所のシルヴァン・ド・レゼラック研究員が参加した今回の研究は、国際学術誌「オプティカ(Optica)」3月10巻3号に掲載された。

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