ポルシェが独衛星打ち上げ企業に追加投資…理由は?

ポルシェがドイツの衛星打ち上げサービス企業であるイザールエアロスペース(Isar Aerospace)に追加投資を行った。ポルシェの宇宙産業進出にも拍車がかかる模様だ。

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イザールエアロスペース社の先月28日(現地時間)発表によると、ポルシェオートモービルホールディングSEは、最近終了したイザールエアロスペース社の1億6500万ドル(約220億円)規模のシリーズCファンディングラウンドに主要投資家の一つとして参加した。

今回のファンディングラウンドにはポルシェのほか、7-インダストリーホールディング、バイエルンキャピタルスケールアップファンド、エリーバードベンチャーキャピタル、HVキャピタル、レイクスター、ロンバードオーディオインベストメントマネージャー、UVCパートナーズ、Vスクエアドベンチャーズなどが名を連ねた。

ポルシェSEとHVキャピタルはイザールエアロスペース諮問委員会に参加する。イザールエアロスペースは、合計3億3000万ドル(約438億円)の投資資金を確保することになった。

ポルシェは2021年7月にもイザールエアロスペースに7500百万ドル(約100億円)を投資し、宇宙産業進出に熱を上げている。

米国の投資銀行モルガン・スタンレーの報告書によると、全世界の宇宙産業市場は、2020年の3873億ドル(約52兆円)から年平均5%以上成長し、2040年には1兆1039億ドル(約147兆円)まで成長すると予想される。

ポルシェが宇宙産業に目を向けるのは、月面のような極限の環境でも使用できる複雑な電子装置と精密な運営技術を今から蓄積することで、未来の自動車市場におけるアドバンテージを早くも築こうとしていると考えられる。

米CNNの過去記事によると、ポルシェSEはイーザル・アエロスペースに投資することで、ジェフ・ベゾス氏のブルーオリジンやイーロン・マスク氏のスペースXに衛星打ち上げ事業で対抗しようとしているという見方もある。

2018年に設立されたイザールエアロスペースは、3Dプリンティングと自動化技術を活用し、安価な低軌道衛星打ち上げサービスを提供している。既存のコストの4分の1の価格で低軌道衛星を打ち上げるというのが事業目標だ。

イザールエアロスペースは現在、自社開発したアクイラエンジンのテストと認証手続きを進めている。また、今年下半期に予定されている発射体スペクトルの初飛行のために、ノルウェーのアンドヤ発射場で打ち上げインフラ構築を終えている。

ダニエル・メッツラー・イザールエアロスペース最高経営責任者(CEO)は、「海外投資家の高い関心は、私たちのビジョンと技術力に対する信頼を示している」とし、「今回の資金調達は、私たちの事業の旅程に重要な段階になるだろう」と述べた。

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