昨年、韓国産の車両用ブラックボックス(通称EDR=イベント・データ・レコーダー)の輸出額が30%以上急増し、過去最大を記録した。新型コロナウイルスをきっかけに個人車の利用が拡大し、画質など品質が優れた「Kブラックボックス」を求める世界人が増えたためと分析される。
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車両用ブラックボックスは、映像や音声を記録するドライブレコーダーとは異なり、事故を起こしたときに、アクセルやブレーキの状態をはじめ、速度、エンジン回転数、そしてどのような角度から衝撃が入力したのかという情報が記録される装置だ。世界各国で”報復運転”が広がり、犯罪予防に対する意識が高まったこともブラックボックスの需要が急増した原因として挙げられる。
韓国関税庁が2日に発表した車両用ブラックボックスの輸出入現況によると、昨年の輸出額は過去最大の3億2200万ドルで1年前より33.7%増加した。2021年に2億ドルを超えた後、1年で3億ドルも突破した。コロナ19が広がる前の2019年の輸出額が1億5300万ドルに過ぎなかったのと比較すると、3年間で2倍以上の規模が拡大したことになる。今年に入ってからも第1四半期の輸出実績が7190万ドルを記録し、昨年第1四半期の7230万ドルを猛追した。
昨年のブラックボックス輸入額は1億5100万ドルで輸出額の半分以下だった。輸出が輸入を圧倒し、貿易収支は過去最大規模の1億7100万ドルの黒字を記録した。
韓国のブラックボックス輸出国は昨年初めて100カ国を突破し、111カ国に拡大した。2020年以降、ニカラグア、ブータン、セネガル、ボツワナ、アルバ、ウルグアイ、ホンジュラス、コンゴなどが新たな輸出市場に加わった。
最大の顧客は日本であり、昨年全体の輸出額の32%、1億300万ドル(約141億円)分を購入した。米国が輸出額の割合28%(89百万ドル)、欧州連合が10%(33百万ドル)で続いた。今年に入ってからは、インドの第1四半期の輸出額が増加率374.5%を記録し、爆発的に増加した。
関税庁は「新型コロナウイルスの拡散で公共交通機関より個人車の使用が増え、ブラックボックスが車両運転のための必需品という認識が広がり、輸出が好調だった」と評価した。日本では乱暴運転が社会的な問題として浮上し、米国ではコロナ19の拡散期である2021年の交通事故死亡者が前年比10.5%急増し、欧州連合(EU)では事故処理・保険料の恩恵が拡大され、ブラックボックスに関する関心が高まったと分析した。
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