韓国公的研究機関「日本の技術に比べて95%節電」、半導体パッケージング技術の開発発表

韓国電子通信研究院(ETRI)は28日、自動運転・データセンターなど高性能人工知能(AI)半導体の核心素材として使用される新素材技術を開発したと明らかにした。ETRIは韓国科学省(科学技術情報通信部)傘下の公的研究機関だ。

この技術は、既存の日本が保有している技術より電力を95%以上削減できる先端半導体チップレットパッケージング技術で、工程を従来の9段階から3段階に減らしたとETRIは強調している。

この技術は、半導体ウェーハにETRIが開発した新素材で作った非導電性フィルム(NCF)を貼り付けた後、タイルのようなチップレットを広い面積に照射できる面レーザーで1秒程度硬化させる3段階で構成されたとのこと。

先端パッケージング技術を基盤とするチップレットは、半導体基板をレゴブロックのように構成する概念だ。

これまで半導体業界では、先端半導体パッケージング工程に主に日本の素材を使用してきた。

しかし、工程が9段階を経るなど複雑なうえ、様々な装置が使用され、高い電力消費、クリーンルームの維持コスト、有害物質の排出などが欠点として指摘されてきた。

今回、研究陣は、半導体ウェーハ基板にNCFを適用した後、様々なウェーハで製作されたチップレットでタイルを作り、1秒程度面レーザーを照射して接合工程を完成し、後硬化工程で完了したという。

ETRIが開発した新素材にレーザーを照射することで、半導体後工程(パッケージング)段階から洗浄・乾燥・塗布・硬化などに至る全段階を解決できるとのこと。

この技術は工程が簡単で、全体の20%以上の生産設備を4%に減らすことができるとETRIは説明した。

窒素ガスも不要で有害物質が発生せず、世界初の常温(25度)での集積工程が可能だとETRI側は述べている。

ETRIのイ・イルミン創造源泉研究本部長は「最近、半導体ディスプレイ業界は低電力新工法を誰が先に開発するかが死活問題」とし、「世界的なファウンドリ会社が当該技術に対する工程性・信頼性評価を進めており、優秀な評価を受けると3年以内に商用化が可能になるだろう」と述べた。

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