韓国紙「サムスンが日本に半導体検査ラインを設置検討」「人件費安い」

韓国のサムスン電子が日本に半導体後工程(パッケージング)検査ラインの設置を検討していることが分かった。

(参考記事:韓国産業研究院「日本と協力し次世代半導体開発を」「韓国の技術は限界」

聯合など韓国各紙は31日、ロイター通信の報道をもとに、サムスンが先端後工程事業の強化と日本の半導体装備と素材メーカーとの協力関係拡大のため、首都東京近郊の神奈川県にライン設置を検討していると報じた。

これは匿名を求めた情報筋がロイターに語ったものだ。しかし、このような検討はまだ初期段階に過ぎないとして、サムスン電子が様々な選択肢を検討中で、確定されたものはないとロイターは伝えている。

また、設立時期など具体的な内容も明らかにされていない。

しかし、ある情報筋は、投資成就時、その規模が1000億ウォン(約100億円)に近い水準になると予想した。

サムスンは既に研究拠点のある神奈川への投資を検討しているが、比較的安い人件費に加え、周辺に東京エレクトロンなど屈指の半導体装備メーカーや素材メーカーが点在しており、「地域生態系」(local ecosystem)へのアクセスが良い魅力があるからだと伝えられた。

サムスン電子はロイターのこのような報道に対して何の言及もない状態だ。

先月、約5年ぶりに日韓首脳会談が開催され、関係改善の動きが広がるなか、韓国の経済界も日本への投資や経済交流に意欲的な姿勢をみせている。尹錫悦大統領の訪日に合わせ、17日に東京で開かれた「韓日ビジネスラウンドテーブル」(BRT)イベントには、韓国4大グループ(サムスン、現代自動車、LG、SK)の総帥も参席した。その中で30日には、韓国産業省長官の主宰のもと、東レやイビデン、出光、ダイキンなど日系現地企業が参加し、企業投資懇談会が開催された。

文在寅政権時代に日韓関係が悪化した際、日本は韓国に対し、フッ化水素、フォトレジスト、フッ化ポリイミドの3品目について半導体輸出規制(輸出管理強化)を導入した。これら品目は半導体やディスプレイの製造において必須となる素材だ。素材・部品・装置の対日依存度が強い韓国は、これらを国産化するため多くの予算を投じ、いくつかの品目については量産化にも成功したと喧伝されたが、その品質や経済効果は今のところ定かではない。

サムスン電子はメモリ半導体分野で世界1位のシェアを誇っている。ファウンドリ(半導体受託生産)市場でも台湾TSMCに次ぐシェアを持つ。

(参考記事:韓国政府主催の日系企業投資懇談会が開催…東レ・TEL・出光・イビデンなど参加
(参考記事:韓国紙「中国の半導体生死は日本次第」「ニコンの露光装置に最後の期待」
(参考記事:韓国が世界最大の半導体産業団地を造成へ…30兆円投下

(参考記事:「サムスンからTSMCに半導体注文の相当量が流出…挽回困難」トレンドフォース
(参考記事:韓国UNIST「可視光線による半導体微細加工に成功」…サムスンが支援
(参考記事:米専門紙「台湾TSMCの3ナノ工程、競争力なし」 韓国サムスンに逆転機会か