サムスンのガスレンジが米国で提訴…有害物質排出懸念 先月はLG電子も

サムスン電子が米国で、ガス・オーブンレンジの人体への有害性懸念で訴えられた。今後、消費者集団からの訴訟危機に発展する可能性もある。 

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7日、イリノイ州北部地方裁判所によると、ジェフリー・ヘス氏は先月27日(現地時間)、サムスン電子が一酸化炭素、窒素酸化物などの有害物質を排出するガスコンロの危険性を事前に知らせなかったとして、米国法人を相手に訴訟を提起した。 

当該訴訟文(PDF):https://www.classaction.org/media/hess-v-samsung-electronics-america-inc.pdf

ヘス氏は当局と主要大学機関の研究結果を根拠に挙げた。ガスコンロが肺に悪影響を及ぼす二酸化窒素をはじめとする発がん物質を放出すると主張した。排出量は米環境保護局(EPA)と世界保健機関(WHO)が呼吸器・心血管疾患、がんなどを引き起こす可能性があると規定したレベルを超えていると強調した。 

ヘス氏は、実際の発がん物質排出量が米環境保護局(EPA)の基準値を超えるというスタンフォード大学の研究を引用した。また、EPAの調査結果、窒素酸化物に長期間暴露される場合、心血管疾患・糖尿病・出産結果の低下・早期死亡・がん・小児喘息・子供の認知能低下などの結果をもたらす恐れがあると指摘した。特に、ガスコンロを利用する家庭で育つ子供の場合、そうでない子供より喘息にかかる確率が42%高いことを懸念した。

サムスン電子がガスコンロの有害性を認識していたにもかかわらず、消費者に告知せず、怒りを募らせたというのが原告側の立場だ。説明書や製品ラベル、マーケティング資料、包装箱など、どこにもガスコンロの発がん物質排出の危険性を知らせず、メーカーとしての責任を果たさなかったという主張だ。 

ヘス氏は「被告は欠陥を警告する義務があったが、これを隠蔽して消費者に被害を与えた」とし、「また、サムスン電子はガスコンロの汚染物質リスクを緩和する設計を適用することができたが、これを適用しなかった」と主張した。

最近、米国では政府主導でガスコンロを撤退させようとする動きが活発化しており、集団訴訟に参加する原告数はさらに増える可能性がある。敗訴した場合、損害賠償額は極めて高額になる可能性もある。

サムスン電子に先立ち、韓国のLG電子も先月、同じケースで、カリフォルニア州で訴えられた。先月8日、米韓メディアによると、サンドラ・シェルザイ氏はカリフォルニア州東部地方裁判所にLG電子の米国法人を相手に訴訟を起こした。

当該訴訟文(PDF):https://www.classaction.org/media/sherzai-v-lg-electronics-usa-inc.pdf

LG電子が一酸化炭素、窒素酸化物など有害物質を排出するガスコンロの危険性を事前に知らせなかったという主張だ。原告側は、LG電子がガスコンロの有害性を認識しているにもかかわらず、これを適切に告知せず、メーカーとしての責任を果たさなかったと主張した。これにより、消費者が様々な病気の危険にさらされたと指摘している。

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